アンスリウムの原産とルーツ
草姿
アンスリウム(Anthurium)は、サトイモ科アンスリウム属の非耐寒性 常緑多年草です。
岩や枝に着生し、幅広のハート型でワックスをかけたようなエナメル質の光沢を持つ花(苞葉)がとても印象的です。
花色は赤・ピンク・緑色・白・紫等多岐にわたり、花の大きさも様々です。
鮮やかな色を持つ花はサトイモ科特有の「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれ、実は花ではありません。
仏像の背景にある炎を象る飾りに似ていることからこう呼ばれます。
苞の中央から突き出た尻尾のような部分の小さな花が寄り集まりくっついている肉穂花序が、アンスリウムの本当の花です。
目立たない花ですが4枚の花びらと4本の雄しべ、1個の雌しべがあり、仏炎苞の直径は約10~15cmです。
アンスリウムの語源は、ギリシャ語の「antho saura(花)」と「oura(尾)」が合わさったもので、「尾っぽのような花」を意味します。
英名はいくつかあり、フラミンゴの立ち姿に似ていることから「Flamingo flower(フラミンゴ・フラワー)」、尻尾のように見えることから「Tail Flower(テイル・フラワー)」、またはオイリーな光沢のある見た目から「Oilcloth flower(オイルクロス・フラワー)」と呼ばれます。
種属
アンスリウムは600種以上分布していますが、世間に出回っている最もポピュラーな種はオオベニウチワ(A. andreanum)で、ハッキリした鮮やかな発色が特徴です。原産はコロンビアです。
その他にもベニウチワ(A. scherzerianum)、シロシマウチワ(A. crystallinum)、ビロードウチワ(A. magnificum)等があります。